生物由来原料基準とADSC-CMの安全性

全てのヒト幹細胞培養液は、いかなる細胞を用いていたとしても、その起源を私たち人の細胞としていることから化粧品として用いる以上、通常用いられている化粧品原料とは異なり、薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)にて定める「生物由来原料基準」は「第3ヒト由来原料総則 3ヒト由来原料基準」に該当する為、これを満たす必要が有ります。同じ人である以上親和性が高い事からポジティブな影響のみならず、炎症系のリガンドや細菌、ウィルスなどの各種病原菌や感染症等ネガティブな親和性も高く、またどうしても現代医学では解明されていないことが多い為にもこのような確認が必要不可欠となります。他にも細胞の培養とは、本来生きていけない場所で無理やり育てる事になりますから、ただ単純に栄養を与えただけで育てるのは難しい為、動物血清や抗生物質を用いて培養するのが一般的ですが、化粧品原料として用いる以上これは望ましくありません。主な抗生物質は医薬品に該当する為使用は控える必要が有り、動物血清においては技術的に不足しておりどうしても用いる場合は、別途「第4動物由来製品原料総則」の該当する項目に従って製造、確認が必要です。また、再生医療等製品でないことから細胞の混入、残留が無いよう細心の注意を払う事も必要です。

韓国では世界に先駆けヒト幹細胞培養液が普及し、問題も生じたことから配合禁止成分となり、それと共に細胞医薬品のGLP及びGMP基準を基に作られた「化粧品原料指定に関する規定」にて定める「人体細胞組織培養液安全基準」が2010年12月31日に告示、翌年7月から施行され、これを満たすことで例外的に配合した化粧品の販売が可能となっております。ドナーに対する感染症等の適格性検査や安全性に関する動物実験やその外部試験機関、また培養施設の基準等の項目が国内法と比較しより明確化されています。また、ヒト幹細胞培養液によく用いられる間葉系幹細胞(MSC:Mesenchymal stem cell)は、由来や年齢よりもドナーから取得した組織の状態とそこからいかに同じ働きをするMSCを単離できるかが製品の品質を大きく左右する為、各細胞毎の判別が重要になりますが、「年齢が若い方がいい」、「美人の方が効果が高い」など誤った情報が広まったことで、誤情報の拡散阻止のみならず臓器提供に適さない若年層を守る為にも、ドナーの情報に関する一切の情報の開示を禁止しています。また、実際のヒト幹細胞培養液の配合濃度は低いにも関わらず、原料100%の商品であるとしてヒト幹細胞培養液100%製品として販売する等詐称行為も横行したため、全成分表示と同様に製品への実際のヒト幹細胞培養液の配合%を義務付けるなど、ヒト幹細胞培養液に対して様々な特例措置が義務付けられています。

この様な厳しい環境下で、CELLINBIOは2010年の基準告示後、初めてこの要件を満たし、いち早く販売を開始し、また国内においても2013年に初めて流通し、長らくご愛顧いただいております実績のある安心安全な原料となっております。

原料製造工程概略

1.ドナー適格性検査

細胞提供者(ドナー) がウイルス、 細菌などの感染症や慢性疾病がないことを確認します
●ドナー適格性検査に必要な基準書の作成及び管理

2.組織採取検査

ドナーから取得した細胞が製造に適合し、製造に問題無い様最適化します。
●医療機関にて医者が採取 ●外部汚染からの遮断 ●均質性検査 ●組織採取及び検査記録書作成及び管理

3.培養施設環境管理

外部汚染に大変敏感な為、 細胞医薬品製造水準の設備 (作業空間試験空間, 保管空間) にて製造されます。
●クリーンルームISO7相当(Class 10,000) ●クリーンベンチ ISO5相当(Class 100) ●年4回の機関検査

4.培養製造工程

外部刺激による品質の違いが顕著な為、細胞医薬品製造水準の管理基準にて製造されます。
●製造衛生管理基準書 ●細胞組織培養記録書 ●細胞組織培養原料規格規準書

5.培養液安全性評価

培養液の安全性を確認する為、 医薬品水準の安全性試験 (GLP) 等が求められます。
●ヒト皮膚パッチ試験 ●単回経口投与毒性試験 ●単回経皮投与毒性試験 ●反復投与毒性試験 ●一次皮膚刺激性試験 ●眼粘膜 ●刺激皮膚感作性試験 ●遺伝毒性試験(微生物復帰染色体異常試験小核試験) ●光毒性試験 ●光感作性試験 ●安全性評価委員会の評価等

6.成分試験検査

製造ロットに外来的なウィルス、細菌などの混入、また化粧品で用いることができない抗生剤や動物血清が混入していないことを証明します。
●マイコプラズマ ●エンドトキシン ●HIV HBV、HCV等ウィルス ●抗生剤 ●動物血清等

7.製品出荷